「美国のエネルギー政策」
エネルギー政策研究所 所長 京都大学名誉教授 神田 啓冶 氏
自らアメリカを訪れた経験を交えて豊富な話題と共に、アメリカのエネルギー政策を中心に各国の情勢も交えて話された。
- 2001年5月に発表されたブッシュ政権の新国家エネルギー政策
- ブッシュ政権のエネルギー政策と日本のエネルギー政策を比較することによって、今後の日本の進むべき道が見えてくる。日本のエネルギー政策の欠点は一貫性のないことである。
- 国内エネルギー供給の増加(アラスカ石油など)、再生可能代替エネルギー、エネルギーインフラの整備、エネルギーセキュリティの強化、地球環境問題への対応などが挙げられる。ヨーロッパにはがすのパイプラインがあるが、アジアには韓国を除いてパイプラインがない。韓国はガスの時代がくること予測して、先に整備投資したためである。
- COP-3京都議定書からの離脱米国について
- アメリカは18%削減+経済成長というふうに、経済成長とエネルギー問題をからめた方針をとった結果が京都議定書からの離脱であった。
- 未来のエネルギー源としての原子力
- ユッカマウンテンは処分でなく貯蔵(資源備蓄) 2060年にはウランが欠乏し、2080年には世界中でウランの争奪戦が起きるといわれている。ウランの利用の仕方には、海水ウランから集める、トリウムからの利用、新しい核融合、使用済燃料の再利用などいくつかの方法があるが、フランスでは、使用済みウランをもう一度原子力時代がきたときに再利用できるように貯蔵するという考え方をしている。
- アイダホ地区の整備(FY2002 より) 米国はアイダホナショナルラボラトリーを新たに世界的な原子力開発研究のためのセンターにしていく方向である。過去の原子力開発で汚染されたアイダホナショナルラボラトリーのクリーンアップ作戦が行われている。
- Nuclear Power 2010 (FY2002 より) アメリカでは現在原子力発電の運転成績が絶好調である。NERIによる調査研究では、2010年までに新型発電炉を建設する方向で開発研究が現在行われている。2030年には原子力発電を3基新設とのことで主に解体プルトニウムが対象になっている。
- Generation 4 (FY2002 より) 日本を含む10ヶ国の国際協力により、ガス高速炉や超臨界軽水炉などの4種の新型炉の開発研究が進んでいる。
- Advanced Fuel Cycle Initiative (AFCI) (FY2003 より)
- 核拡散抵抗力の高い乾式の再処理技術の開発
- 核変換処理
- Nuclear Hydrogen Initiative (NHI) (FY2004 より)
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