京都大学大学院 エネルギー科学研究科 エネルギー社会・環境科学専攻 教授 専攻長 笠原 三紀夫 |
京都大学大学院エネルギー科学研究科エネルギー社会・環境科学専攻に、本年4月1日付けで「エネルギー社会システム計画(関西電力)講座」が発足し、教授に宮沢龍雄氏、助教授に雷明氏が着任して教育、研究を進めております。
エネルギー問題は、地球環境問題や資源問題とも深く関連した21世紀最大の課題となっています。このような背景のもと、自然科学系と社会科学系が相互に融合し、理想的なエネルギーシステムを構築するための学域を創造、確立し、教育することを目的として、平成8年4月にエネルギー科学研究科が設立されました。このエネルギー科学研究科は、エネルギー社会・環境科学、エネルギー基礎科学、エネルギー変換科学、エネルギー応用科学の4専攻よりなりますが、新設の寄附講座は、エネルギーに係わる社会問題や、環境問題を対象としたエネルギー社会・環境科学専攻に属しています。
寄附講座では、従来の工学的なアプローチを発展させることはもちろん、将来の社会の動向を予測し、社会・環境と調和したエネルギー社会システムの新しい総合計画手法を確立することを目指した教育、研究活動を行うこととしており、寄附講座を中心に当専攻あげて新しい展開を図っていく所存であります。
本寄附講座の発足を記念し、去る7月7日に「エネルギー社会システム計画(関西電力)講座開設記念講演会」を京都大学木質ホールで開催致しました。開設記念講演会ではまず、京都大学名誉教授、大阪工業大学情報科学部学部長の西川□一先生による“豊かさとは”と題した特別講演、および東京大学名誉教授、(財)地球環境産業技術研究機構副理事長茅陽一先生による“環境共生社会に向けて”と題した記念講演をお願い致しました。引き続き吉川榮和教授をコーディネーターとし、エネルギー科学研究科5名の教授による“明日のエネルギー・社会・環境を考える”と題するパネルディスカッションを行いました。
開設記念講演会の後には、ささやかなパーティーを開き、エネルギー科学研究科長伊藤靖彦教授および関西電力副社長鷲見禎彦様から寄附講座への期待のお言葉を頂き、さらに参加者の皆様と深く懇親をはかることができました。開設記念講演会および記念パーティーには、学内外から200名近い多数の方々の参加を得、成功裡に終了することができました。ここに記し、改めて御講演下さいました諸先生、ご出席いただきました皆様方に深く御礼申し上げる次第です。