総合質疑


Q1: なぜ、台風によって何故原子力発電所が緊急停止したのか。
A: 原子力発電所は海岸沿いに建設されている。台風によって海面が上昇し、送電系統が地絡したので安全のため、緊急停止した。発電所に問題はなく、送電事故である。この種の問題は、他の発電所にも見られるものであり、タービン建家の火災によるものがある。このときには、屋根に損傷がおき、2日間緊急修理のために運転を停止した。
Q2: IAEAレベル"2"に対応する事故はどのようなものか?
A: 運転員及びプラント管理者が適切な注意を払わなかった。運転員が犯したヒューマンエラーに管理者が適切な注意を払わなかったもので、安全文化に違反しているので1つレベルが上げられたものであり、この種のレベルは、IAEAへ文章による手続きを行うことになっている。
Q3: このレベル2に相当する事故はいつ起こったのか
A: 1994年にWolsong1号機で起こったもので脱ガスコンデンサーからの重水漏れであった。これまでに5件をレベル1、1件をレベル2にしている。以前はこういった情報は公表してこなかったが、今は海外へもこういった情報を公開して韓国が情報公開に積極的なことを示している。
Q4: 韓国で利用されている安全性能指標SPIと通常のIAEAの指標とに違いについて説明してほしい。また貴国のSPIには何か特別な点があるのか?
A: 中には共通なものもある。例えば、「計画外原子炉停止」に関する指標がそうである。しかし、「格納容器信頼性」や「安全注入系利用可能性」と言ったものや、廃棄物処理のための「放射能集積線量」"は、韓国独自のものだ。IAEAやNRCらとともにわれわれは安全問題にさらに関心をもっており、稼働率、運転率、安全性に関心を持っており、この種の運転指標を原子力安全規制にとってより有用と考えている、燃料信頼性、緊急対応策の整備度、そしてこれらの統合や安全注入系利用可能性も安全に関わるものである。以上のように我々は原子力発電所の安全問題により注意を払っている。
Q5:韓国語による「運転性能情報システム」に情報を入力しているのは誰か?
A: 法的要求のあるものについては電力が入力している。また、海外情報もIAEAを通じて入手している。それらのデータは、IAEAやOECD/NEAなどの原子力機関の公開情報である。我々は分類し、整理して一般に公開している。
Q6:運転性能データベースは、IAEAやNEAのものも含まれているのか
A: その通りである。
Q7: 韓国の原子力規制局には職員は何人いるのか
A: 総勢5人である。そこへ二人の技術専門家を派遣している。残り3人は政府の事務員であり、技術専門家ではない。そのため、我々技術専門家が必要になっている。技術専門家が技術的な判断をすることとなっている。
Q8: なぜ、2001年9月6日が原子力安全の日なのですか?
A: 9月の第1週の金曜日で,9月6日の翌日から伝統的に国家的儀式が始まり、首相が列席する。その前日だと首相が必ず原子力安全の日に出席できるからです。
Q9: 原子力発電所の重大な事故が韓国で起これば、偏西風を考慮するなら、韓国だけでなく日本も何らかの被害を受けかねない。しかし、韓国の原子力発電に関する情報公開システムは、韓国語又は英語でしかない。一般の日本人にはこの種の情報は理解できず、公開されているWebからの情報を直接見たいと望む日本人もいるが、なぜ日本語での情報公開をしないのか。例えば、今日始めて知ったが、韓国で1994年のレベル2の事故が起こったことを一般大衆が知ったら大変驚くだろう。
A: 興味ある質問である。おっしゃる意味は理解するし賛成である。原子力発電事故に対しては、地元も海外に住む人も被害を受ける可能性はある。もし重大な事故が日本の原子力発電所で起これば、韓国人は韓国に飛来する放射性ダストのフォールアウトによって被害を受けるかもしれない。日本、韓国ともに、原子力安全を強化していくためにも、よりコミュニケーションを密にしていかなければならない。実際、風向きは季節により異なる。例えば、冬は韓国から日本へ風は流れるが、夏季には台風がある。日本の原子力発電所で事故が起これば、ダストは韓国へ飛来するかもしれない。事故が起これば、原子力発電所側は事故の影響を最小限に食い止めるよう努力すべきである。そしてその後、政府は住民の安全を確保するために行動をとるべきである。事故の確率がとても低いからといって重大な事故が起こらないと言うことはいえない。何らかの事故が起これば、安全に関わる全ての事を公表すべきである。我々は、全ての情報を一般社会へ公表することを約束できる。日本は冷静で平和的であるが、韓国はそうではない。もし、重大な事故が起これば、間国民は全ての原子力発電所を閉鎖することを要求するかもしれない。実際,日本のJCO事故の時も,相当のデモがあったことを申し添える。
Q9: 2003年に23件の事故があり、そのうち21件が計画外の緊急炉停止であったということだが,韓国の原子力発電所稼働率が90%以上を達成できたのはなぜか。もし日本で同じ事が起これば、このような高い稼働率は達成できないものと思う。
A: 2003年には、23件の事故があり、そのうち21件が計画にない緊急停止であった。この年、例えば台風のために原子力発電所5基が一日の内に緊急停止し、おそらく2日間停止していた。しかし、素早い復旧が日本との違いを生んでいると思われる。日本の原子力発電所が緊急停止した場合、厳重な検査のために運転再開には約2ヶ月かかるだろう。日本と韓国では大変異なり、韓国原子力発電所の復旧期間は通常,40日以内で30日というのが概ねの復旧期間である。そのため、通常運転時間は長く、韓国原子力発電所の高い稼働率が達成できているものと考えている。それが最大の理由である。

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