--- 実施計画書 ---
公開ワークショップ「リスクとリスクコミュニケーション」
要旨
- 六ヶ所村では今回は見学しなかったウラン濃縮工場が稼働中以外に、使用済み燃料の中間貯蔵施設、MOX燃料加工工場の建設計画の他に、周辺地域には石油備蓄基地、日本版バイオスフィア実験施設があり、国際熱核融合炉ITERの誘致、大間町のフルモックスBWR計画、と下北半島は正にわが国の"エネルギーセンター"と言って過言でないことを実感した。
5.「女性と原子力」座談会
- 六ヶ所村原子力施設見学チームの女性メンバに、地元女性3名に原子力のイメージと関わり、原子力への安心感・不安感、インタネット利用のコミュニケーションなどについて語り合って貰った。
- 地元女性には原子力は危険というイメージの反面、エネルギー供給に不可欠なものとして以前に比べて原子力への不安が徐々に薄らぎ、原子力との共存に理解が深まっている。しかし、漠然とした不安はあり、子どもを持つ母親になると以前より自己への不安が増すとこことである。
- インタネットは職場では利用しているものの家庭では殆ど利用していない。他の原子力立地地域住民とのインタネットによる意見交換の希望が出された。
- 全体として地元女性は事故時対策、原子力施設による雇用や経済効果、地元のイメージアップに関心がある。
- 以上から、地元女性向けには、経済効果、地域の知名度向上などのベネフィット情報と、安全性情報や事故不安への対応等のリスク認知情報について、他の原子力立地地域住民とのコミュニケーションを織り交ぜたインタネットコミュニケーションのサービス提供が有効と思われる。
6. 招待講演「リスク評価の最新動向−宇宙分野と原子力分野の対比を中心に」
(1)米国宇宙分野の動向
- 米国宇宙分野のリスク評価ではスペースシャトルコロンビアの事故以来、以前に行われたリスク評価で当該事故の直接原因となったThermal
protection system の問題を予見する報告がありながらこれを活用しなかったNASAの組織的要因が問題視されている。
- NASAはその後リスク評価に注力し、原子力分野でのリスク評価手法を導入して宇宙用PRAの標準や次世代リスク評価手法の開発を進めている。
(2)わが国の宇宙分野の動向
- わが国では国際宇宙ステーション、再利用型ロケット、使い捨てロケット、衛星プロジェクトのリスク評価が進められている。
- H2Aロケットのリスク評価を例にすると、システムの構造的特殊性、特殊な環境条件、使用時間が著しく短いことなどで原子力の手法はそのまま適用できない。
(3)宇宙と原子力の対比